コラム
2016年10月21日
振袖に関することについて
着物にはさまざまな種類や格式がありますが、着物の代表格といえる振袖の特徴から、活用シーンを見てみましょう。
振袖とは、名前の通り振ることができるほど長い袖を持つ着物のことです。訪問着との大きな違いは、振袖は唯一未婚の女性に許された装いであるところです。振袖には大振袖、中振袖、小振袖と3つの種類があり、袖が長くなるほど格が高くなると言われています。艶のある長い袖丈と華麗な色柄は、日本人女性を最も美しく見せてくれる着物なのです。振袖が未婚女性だけのものになったのは、一説には約400年前の江戸時代初期のこと。当時の踊り子たちは袖を振ることで愛情を表し、袖にすがることで哀れみを表現していたそうです。未婚女性が異性に想いを伝える際にそれを真似ていたことから、振袖が未婚女性のためのものになったと言われています。ちょっとユニークな歴史を知ると、当時の未婚女性たちの茶目っ気あふれる様子が目に浮かんできますね。
振袖は慶事にピッタリの装いです。大振袖は、成人式や結婚式、披露宴など改まった式典に着用されます。自身の結婚式のお色直しに大振袖が選ばれると、ご両親の喜びもひとしおでしょう。結婚式にゲストとして出席する際や成人式に着用されるのが、中振袖です。洋装が多数の中、振袖での出席は花が咲いたような華やかさになります。小振袖は卒業式の袴に合わせたり、パーティーや観劇に着用したりと、華やかな席で身軽に動きたい時に大活躍します。